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木村化工機 「工場の廃熱活用提案」

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日刊工業新聞 2017年3月14日掲載

モノづくり現場

エレクトロヒート技術最前線 ⑫

木村化工機 「工場の廃熱活用提案」

 

木村化工機は化学装置やプラントのエンジニアリングで蒸発と蒸留の技術で強みを持つ。エネルギー消費が大きい蒸留工程でヒートポンプを導入して工場の廃熱を有効活用する省エネを提案し、機械や食品などの工場で成果を上げてきた。製造プロセスを中心に省エネを促進している。

顧客の添加物を製造する工場では、使用済みメタノールの再精製工程で蒸留塔の更新の際に温水型ヒートポンプを導入。塔内を上昇してきた塔頂からの蒸気を凝縮するコンデンサーの熱を熱交換器のリボイラに再利用できるようにして蒸気の消費量を削減し、年間エネルギー使用量(原油換算値)を、既設蒸留塔に比べて45%削減可能にした。

さらに「圧倒的な省エネになる」(松尾洋志エンジニアリング事業部技術部長)のが、機械式蒸気再圧縮機(MVR)を用いた「MVR型ハイブリッド蒸留装置」だ。蒸留塔からの蒸気を耐久性の高いMVRで圧縮して昇圧し温度を十数度C高めることで、従来捨てられていた蒸発潜熱を100%再利用できる。必要なエネルギーは昇圧分だけで済み、加熱用蒸気などが不要になる。

同装置を採用した医療機器工場では毎時22トンの処理で4重効用による既設の蒸留装置に比べ年間運用コストが1億5000万円低減可能となり、顧客が購入を即決したという。

同社はMVRを用いた蒸発装置を30年以上手がけ、毎時蒸発量10トンー30トンの大型でこれまでに約50台の納入実績を持つ。蒸留装置は運転や濃度調整が必要で省エネ技術の導入は難しい。蒸発と蒸留の両技術を併せ持つ会社は世界でも少数だ。松尾部長は「他社が追随するまでは当社の独断場。どんどん普及していきたい」と意気込む。

MVR型ハイブリッド蒸留装置の成績係数(COP)は40を実現可能で、ヒートポンプに比べ大幅に向上する。こうした点も訴求し、設備の更新需要を狙い投資意欲を喚起する。リース会社との協業で補助金活用も提案し、電力会社との共同で営業活動にも取り組む。

 

【事業所概要】▷所在地=兵庫県尼崎市杭瀬寺島2の1の2  06・6488・2501

▷主要製品=MVR型蒸発装置、MVR型ハイブリット蒸留装置

 

(上記記事の著作権は株式会社 日刊工業新聞社にあり、当社は同社から承認を受けて掲載しています。
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